七輪陶芸をやってみた

器を買うイベントが悉く中止になって、むしゃくしゃしたので家でもできる七輪陶芸をしてみた。

まずは第一人者らしい吉田明氏の本を図書館で借りた。

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材料

手配していた粘土・釉薬が届いた。捏ね不要の粘土と釉薬は欲張っていろいろ買った。

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すでにいい感じにしていただいている液体釉薬×2、ぬる釉薬、金金になったらかっこいいと思って買った本格釉薬。一応、焼成温度は七輪陶芸でも到達する温度のものにしておいた。

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成形

週末まで待とうかと思ったが、ブログや動画を確認したところ、乾燥が不十分だと素焼きの段階で破裂するようだった。その日のうちに完成させたい、などと急いでいるわけではないので、水曜日の夜中に成形して、自然乾燥させることにした。

ぽってりした箸置き、輪っか状の箸置き(スプーンを置きたい)、豆皿っぽいもの、アクセサリーのパーツ(になったら嬉しい)立方体、色見本用の丸の5種類を作った。

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せっかくなので、高台ありの器に挑戦してみた。ドライヤーで少し乾燥させて、爪楊枝で良い感じに印をつける。

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印に沿ってプラスチックスプーンで削る。小さくて頼りない高台になった。

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このまま猫の手の届かないところで乾燥させる。

 

道具

七輪とドライヤー以外は、主に近所のダイソーで手配した。

・義父にもらったパナソニックのドライヤー

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・アルミプレート

・アルミワイヤー

ドライヤーの送風口が溶けないようアルミプレートを筒状にして、ワイヤーで軽く止める。

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ゴンさんみたいになったドライヤーさん。

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・容器

・馬毛平筆

釉薬を溶かし、保管する容器と筆。

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・焼き網

・万能トング(44cm)

・フライパン

焼くための道具。完全にバーベキューする人と思われていそうだった。

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素焼き

道具も揃ったので、素焼きを始める。

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アルミホイルで少し緩めにくるむ。

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火がついた炭の上に炭を追加して、フライパンに載せて徐々に温める。七輪の送風口は閉じておく。

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アルミホイルを被せて、30分。この間、七輪の送風口を少しずつ開けていく。

30分後、金網に移す。ここでもアルミホイルを被せて、30分。

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あまりにも待つので、夫に火を見てもらっている間に釉薬を溶いた。

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30分後、アルミホイルの光沢が失われ、白っぽくなってきた。

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アルミホイルが溶けたら素焼き完了とのこと。金網の真ん中が少しヘコんできた。

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素焼き完了。指で弾いたらしっかり焼き物の音がした。素焼きの植木鉢みたいな触り心地。

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釉掛け

冷めたところで、釉薬を塗る。浸したり吹きかけたり、いろいろな手法があるようだが、今回は簡単かつ汚れなさそうだったので、筆塗りにした。

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液体釉薬は、スッと塗れた。シルバーになるはず…!

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ぬる釉薬とのことだったが、液体釉薬と比較すると塗りにくく、厚みが出てしまった。鶸色になるはず…!

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本焼き

いざ、本焼き!と思ったが、19時前になっていた。ドライヤーをつけ続ける本焼きを夜間に敢行するのはさすがに近所迷惑だと思い、焼きおにぎりを焼いて寝た。

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翌朝、火を起こし直していざ本焼き。

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延長コードで屋外に電源を確保。

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本に「細々したものは炭に紛れるので金網で焼く」と記載されていたため、まずは金網に載せてみた。

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ドライヤーで送風もしてみたが、あまり変わりがない。
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(ええい!まとめて七輪の中に入れてしまえ!!)と色見本以外全部入れてみた。
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上に炭を継ぎ足し、5分間。
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少し離したところから、ドライヤーで風を送って、5分。お隣の洗濯物と上階の住人の布団に灰が飛び散りそうだったので、七輪を地面に移動させた。
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だんだん距離を詰めていく。

「徐々に近づけ、最後にドライヤーカバーの先端を送風口に入れて全力送風」「すぐに1400度前後になって…」と書かれているが、時間が書かれていないので、ここからは感覚でやる。初めてだけど。
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焼けてくると光沢を帯びてくるらしい。まだまだだ。
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火が上がってきた。温度が高くなっているのかも。

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炭に謎の粒々が…。炭が溶けている?釉薬か?
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豆皿っぽいものは鶸色ではないが、色が変わった。まだまだ焼くぞ。
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この頃から本当に熱くて、少し離れたところから、ぬるくなった麦茶を飲みながら様子を伺っていた。アップの写真もまともに撮れなくなってきた。
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40分くらい焼いたところで、ちょっと光沢を帯びた箸置きがいたので、サルベージ。すぐに冷ますと割れるらしいので、フライパンに炭と一緒に入れる。
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色見本は、金網の上で丁寧に焼いてみた。少し色が変わった。

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溶鉱炉に沈んでいくターミネーターが頭に浮かんだ。
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焼き上がり判断をしたものが冷めたので、手にとって観察した。少し光沢がある気がするが、何よりも粒々が目立つ。七輪陶芸は、灰が自然灰釉になる、とのことだったがこの粒々はそれとも違うような気がする。シルバーになる釉薬のはずだが、ブルーグレー止まり。
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鶸色は、右側に少しだけきれいに出ている。やはり粒々がある。
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日差しと火で疲れたので、それぞれ光沢が部分的にでも見えたところで引き揚げた。

多少は高温にはなっていたようで、七輪内部にヒビが増えていた。

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夫に見せたら「出土したみたい!」と言われたが、(うまく言ったな!)と納得してしまい言い返せなかった。
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屋内で冷静に見ると、粒々以外にも汚れが目立ったので、水洗いをした。あわせて耐水紙やすりでやすったが、粒々はあまり取れなかった。
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完成

とりあえず1つも欠けることなく焼けた、というレベル。(立方体は洗ったら釉薬が取れたので、十分に焼成できていなかった模様)
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金金になるはずだった箸置きは、鈍い金色の光沢が少しだけある黒い箸置きに。

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ブルーグレーの箸置きにフォークを置いてみたら、サイズはバッチリだった。

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豆皿っぽいものが、あの小さな高台で自立したのは驚きだ。

改善点

どれも思い描いた色にはならなかったので、

釉薬が分厚かった(ついついたっぷり塗った)

・高温が長時間維持されなかった可能性(灰が結構詰まっていた)

あたりが改善すべき点と思われる。

 

その他、

・粒々の除去方法の確立(あるいは、生成させない)

・豆皿は成形段階から綺麗にする

・七輪メンテナンス用の道具土を買う 

あたりも要研究。

これはハマるのが分かる気がする趣味だった。