病児保育、どうやったら使えるのか

保育園に通い始めて3ヶ月、アポスナイパーとして立派に育った子は、今月も見事に大事なクライアントとのアポイントメントを打ち抜いた(前日夕方に発熱した)。

 

前提

・8時半頃の電車に乗ってクライアント先へ行きたい

・夫は前日夜から朝方まで仕事で、午前は眠り地蔵*1

・両祖父母は新幹線2時間程度のエリアに在住

・かかりつけ医は9時オープン(かつ人気なので早くても1時間はかかる)

・在住地の病児保育施設は、家からも駅からも遠い*2

・クライアント先最寄りの病児保育施設は、枠がすでにいっぱい&キャンセル待ち多数

・フルタイム勤務&築古&そもそも片付け下手&物多いで人を呼ぶには家が汚い

 

アポスナイパー6月の狙撃

アポ当日の朝食後、検温をしたら37.0℃だったので、お迎えにはなるだろうが、夫が起動している午後なら問題ない、と保育園へ出発した。我が家の車は激安中古車で、去年あたりからクーラーが効かなくなったので、アイスクッションをチャイルドシートに敷いて窓全開で走る(約6分間)。いつもより早い登園だったので、受け入れ場所・受け入れの先生が違い泣き出す子。

朝の体温を伝え、「お迎えになるかもですね〜」と言われながらバイバイをして、駐車場でRにシフトレバーを入れたところで、先生が走ってきた。「念のため検温したら38.0℃だったので受け入れ無理です!」とのこと。体温上がる要素色々あったもんなぁ、などと思いながらもとにかく時間が迫っているので、一緒に帰宅した。

まずクライアントへ遅れる旨を連絡(とても優しく、了承いただいた)し、前日から検討していた策について、状況を加味して実現可能なものがあるか再考した。

なかった。

 

まず、病児保育施設。医師が前日または当日に記載した「病児保育利用連絡」という書類が必要だ。当日電話してから行くなら最悪なしもありか、と甘い考えがあった(似たような名前の保護者記入用書類もあったので)。かかりつけ医も含めて最寄りの小児科が開くのは9:00あるいは9:30。前日のお迎え時点では、もう診療時間外だったので書類を手配しておくことができなかった*3

また、当日でも大丈夫と書かれているが、事前登録が必要で、予約制な上、予約は前日の17:00まで。やはりお迎え時間と噛み合わない。

「え...誰がどうやって使うの?」と思ったが、とりあえず次の策。

シッターさん。前日時点で、当日依頼も対応可能なエリアであることは確認済みだったが、夫が起きている前提だったので、寝ている夫とシッターさんを待つ子だけで留守番はできない、となると到着を待つ時間さらに備品の場所や症状等を説明する時間も発生し、現実的ではないと判断。(だいたい家が汚くて人を呼べない…これはわたしがあかん)

「ああ、こうやってキャリアが途絶えていくのかぁ」と思ったが、まだ粘る。

とりあえず、クライアント先に行くんだ、という意思表明のため、いろいろな種類の汗で化粧ノリ最悪の顔面に化粧をした。

妙案が浮かんだ。

クライアント先に行く途中、たまたま姉夫婦の住んでいるエリアを通る、姉はたまたま育休中。年子育児をお願いすることになってしまうが、頼れるものは頼るしかない精神で朝から電話をして、了承を得た。たまたまが重なったのでこれは奇跡。

クライアント先への途中駅のホームで、姉に子と必要な物品一式を引き渡して、なんとか予定から1時間遅れで到着。姉夫婦には美味しいケーキをご馳走して、お中元送らないと。

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子、ゆっくり楽しく過ごせたようで、姉夫婦に足を向けて寝られない。

雑感

さて、病児保育。

改めて確認すると、病児保育と病後児保育の2種類ある*4

病後児保育は、病気やけがなどが急性期を経過するなど安定した以後の回復期にあるお子さんを一時的にお預かりする事業であり、病後児保育の利用を医師が認めた場合に、看護師等がいる保育所併設施設などでお預かりするものです。
 一方、病児保育は、医療機関併設型など医師が常駐している施設などで、病気の急性期にあるお子さんを一時的にお預かりするものです。

病後児保育の場合は、もうすでに何かしらの症状が続いていた状態なので、予定と突き合わせて保育の予約もできるし、医師から書類をもらう段取りもできそう。利用のイメージはつく。

病児保育の場合は、症状が急に現れる急性期を想定しているのであれば、お迎えの時間によっては予約も書類手配もスムーズにいかないケースが容易に想像できる。夜中に発熱し朝もそのまま、など。これって、手続きが一緒なのがいけないのでは…?

居住地の病児保育施設は、病院附属のものだったのでその場で診てもらって…というわけにはいかないのだろうか。受け入れられない症状・病気だった場合にはおとなしく帰るので…。

そして、枠が信じられないくらい少ない。そもそも保育園も枠が少なくて第7希望に入園している*5ので、もう驚かないが、それにしても少ない。

 

ところで、この使いにくさは社会的に問題になっていないのか、と軽く調べると平成21年6月に、平成21年6月に、「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム第9回会合」で"有識者からのヒアリング"として病児保育が議題になっていた。

ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム: 子ども・子育て本部 - 内閣府

14年も経ってるが、どうなのだろうか。施設数は増えていそうだが、制度の使いづらさについては改善されて、これなのだろうか。

 

軽く絶望しながら同プロジェクトチームの活動を斜め読み。第10回会合(最終回)の議事録にあった一委員の発言。

病児保育の課題においても子どもが病気のときに仕事を休みやすい環境というか、職場の空気みたいなものをどうつくっていくかというのは非常に大事なことです。

違う。病児保育において求めているのは、休み"やすい"ではない。休まなくて済むための施設・制度の拡充・整備だ。

夫との連携強化はするとして、あとは体調不良児対応型保育園について調べるか…。転園は全然本意ではないし、そのような記載は見かけなかったので、望みは薄そうだが。(かつ、"保育中に体調不良になった場合に"とあるので、そもそも体調不良の場合は預けられない…?)

ともあれ、お上には期待できなさそうなので、家を片付けてシッターさんを呼べるようにしよう。いくら片付けが下手でも14年は掛からない。

 

*1:前日時点で最悪の場合、家で見てくれと依頼済みだったが…南無三

*2:家から車で10分、駅から徒歩14分

*3:手に入ったところで、発熱してすぐの子が行って何かの感染症とかってわかるのだろうか…

*4:https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/faq/003/007/d000631.html

*5:立地の不便はあるものの、先生たちは優しく、立地ゆえのエンターテイメントもあるみたいなので結果満足はしている

誕生月

祝日が1日もない、でお馴染みの6月になった。誕生月なので、いろいろなところからDMが届く。嫌でも誕生日が近いことを意識する。

誕生日おめでとうクーポン付き郵便物を郵便受けから取ってきた夫が「わたしからの誕生日プレゼントです!」と元気よく渡してきた。面白い冗談のつもりで言ったのだろうし、わたしが健全なら普通にそう受け止められただろうが、無性に悲しくなった。

 

去年のこの頃、彼は人材育成に燃えており、わたしの誕生日をすっかり忘れていた。

インターンの子に勉強用の本を渡しに行き(悪意100%で書くと、女子大生とドラッグストアの駐車場で密会)、「丸亀に行こう」と2回言い、1人でパンパーティーをしているわたしのリアクションが悪いことに対して「何怒ってるの!?」と逆ギレした。そこで、誕生日であることを伝えたら、ビックリしていた。

その後、近所のケーキ屋を3つ回り(うち1つは人気店だったのでまともなケーキは残っていなかった)、翌日にはミントの葉っぱが入ったいい匂いの花束を買ってくれた。

 

誕生日クーポンの冗談(おそらく)をかました後、わたしのリアクションもほどほどに、仕事を手伝ってくれている人とウェブ会議(悪意100%で書くと、人妻とビデオ通話)のために部屋に篭った夫、今年は当日にお祝いしてくれるのだろうか。

わたしのはじめての母の日は、子と花を買いに行ってくれたり粋なところもあるので、読めない。

 

離乳食(初期)事情

先日、子が誕生から6ヶ月を無事迎えた。寝返りができるようになってからはもっぱらうつ伏せ(顔は横向き)で寝るのが好きなようでハラハラしている。

5ヶ月になる少し前から食卓に一緒に座っているとヨダレがすごかったので、5ヶ月と数日が経ったところで離乳食を始めてみた。

すでに夜間通したっぷり寝てくれるというありがたい生活リズムだが、わたしが早起きできないので離乳食は週に何度か夜にまとめて作って冷凍し、朝はレンジ加熱(たまに茹でたての豆腐、とかもある)で完成させている。

手持ちの調理器具でも離乳食を作るのに十分そうだったが、テンションを上げていくためにいくつか離乳食用と銘打って買い揃えた。

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標本を作った

夫の飼っているカブトムシ*1が早世してしまったので、「標本にして欲しい」と参考動画のURLが送られてきた。

1週間は動画を見ずに放置していたが、見てみたらこだわり甲斐があり楽しそうだなぁ、と自ら参考動画以外も見始めていたので、大人しく標本を作ってみた。

昆虫は、乾燥標本という薬品は必要のないシンプルなタイプで長期保存できるようになるらしい。準備するものは、昆虫針、まち針、発泡スチロール板、ピンセット、密閉容器、乾燥剤、そしてお亡くなりになられたムシ。

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*1:エレファスゾウカブトというメキシコ出身の金色ビロードのお洒落なヤツ

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2022年の目標と2021年の振り返り

2022年の目標

乳児を抱えているといろいろ制限がありそうなので、今年は10個だけ。テーマは、バランス。

  1. 子どもを無事に生活させる
  2. 少し良いキッチン鋏を買う(継続)
  3. リングフィットアドベンチャーorフィットボクシングをなるべく日次で継続する
  4. 子と猫と夫のバランスを取る
  5. スペイン語の試験を受けてみる
  6. 良い部屋着を手に入れて、パジャマで1日を過ごすことがないようにする
  7. 無闇にAmazonでポチらない
  8. NISAとかiDeCoとかよくわからないものを調べて、お金周りをきちんとする
  9. 旅行に行く
  10. リップクリームを寝る前以外にも塗る習慣をつける
2021年の振り返り
  1. 平日休日問わず同じ時間に起きる→△(永遠の課題)
  2. 朝は白湯を飲んでスタートさせる→△(暑い時期はできなかった)
  3. 休日でもパジャマから早めに着替える→×(パジャマ楽ちん。良い部屋着を買うか)
  4. 少し良いキッチン鋏を買う→×(候補洗い出しから始めないと)
  5. 日次のスペイン語学習を継続する→◎(入院中もやってた)
  6. 季節のもの(食以外も)を楽しむ→△(月見はしたがどうしても食が中心に…)
  7. 洗顔してから寝る→○(そもそも化粧する日が減った)
  8. ダンボールをちゃんと毎週捨てる→△(たまに隔週になったけれど、わりとちゃんと捨てた)
  9. 玄関(外)も掃除する→○(数えられるくらいだが、みすぼらしくならない程度にはした)
  10. 床暖で寝落ちする回数を減らす(2回/週)→◎(家具追加で寝落ちできる余地がなくなった)
  11. 夜は腹九分目までにする→△(鍋とサイゼリヤは暴食しがち)
  12. 家電を勢いでポチらない→◎(除湿器はレンタルで試して購入見送ったり、大人になった)
  13. 説明書どおりの頻度で家電の「日頃のお手入れ」をする→△(加湿器など一部の家電はできた)
  14. 週次でキッチンシンクに撥水スプレーをする→○(年末はやや頻度が落ちたものの、やっていた)
  15. 掃除機の前にはたきをかける→×(はたきをかけるという文化は芽生えず)
  16. 寒さを理由に出掛けるのをやめない→○(外出自体減ったが、寒くてもまぁまぁ外出した)
  17. 暑さを理由に出掛けるのをやめない→○(外出自体減ったが、暑くてもまぁまぁ外出した)
  18. 自分のパジャマを買う(夏/冬)→◎(マタニティパジャマを買った)
  19. 本を読む習慣を取り戻す→○(習慣になったかは微妙だが、子育て系の本を読んだ)
  20. フルーツを積極的に食べる→○(春〜初秋は食べていた)
  21. 猫に幼児語を使わない→◎(相手が賢いので普通の言葉で話しかけた)
  22. 遅くとも26時には布団に入る→△(夜中まで仕事したり、夫と遊んだりしてた)
  23. プライベートの約束に遅刻しない→△(頭の中では完璧に間に合っていた)
  24. RFAを少しずつでも継続する(2回/週)→×(妊娠に伴い筋トレは中断していた)
  25. 防災グッズを揃え始める→○(水、食べ物などおとなの分は揃えた)
  26. 猫の防災グッズを揃える→×(賞味期限の短さが気になって揃えられていない。まずい…!)
  27. 作ったことがない外国の料理を作る→◎(GWに色々作った)
  28. 鉄フライパンを手に入れて育てる→×(まずはこどもを育てる)
  29. アンガーをマネジメントする(ブチ切れない)→○(仕事でもプライベートでも本人に対してはブチ切れなかった)
  30. 猫砂を床下収納へ速やかに収納する→○(重たいけど割と頑張った)
  31. カサカサの踵にクリームを塗ってから寝る→△(年末あまりやらず、またガサガサに)
  32. 塩、砂糖を袋から直に使うのをやめる→◎(常滑焼の塩壺を購入した)
  33. 乾燥まで終わったら洗濯機からなるべく早く洗濯物を取り出す→×(乾燥機もクローゼットの一部状態)
  34. 定位置のないものをリビングから減らす→△(イタチごっこみある)
  35. 夜ごはん後のデザートはたまのご褒美にする(毎日食べない)→△(年末付近で異常に甘いものが食べたくなってしまってたくさん食べた…)
  36. スタバでスリーブをつけてもらう(装着をお願いする)→×(そもそもそんなに行ってないが、つけてもらえなかった。エコ?)
  37. 夫と話すときにスマホをいじらない→◎(どんな話でも意識的にいじるのをやめるようにした)
  38. 夜中に仕事をするのをやめる→△(疲れた日はやらなかったが、そうも言ってられない日もままあった)
  39. 車運転技術を向上させる(隣に乗った夫が酔わないように)→△(年内は運転せず…年明けに運転し始めたところ大丈夫そう)
  40. 人間もちゃんと早めに病院に行く→△(そもそも健康で病院にお世話にならなかった)
  41. 家族・友人からのLINEをなるべくちゃんと返す→△(ムラが酷かった)
  42. 宅配ピザは月1回までにする→○(妊娠中の体重増加著しかったので月1回ペースをキープしたが、注文量が増えたような…)
  43. スカートを日常的に履く→◎(マタニティで楽ちんなワンピースを多用)
  44. 姿勢よくごはんを食べる→△(筋トレもしなくなって姿勢どんどん悪くなった自覚がある)
  45. 寝週末を減らす→◎(近所の散歩メインだが、ベッドに籠りきりはなかったはず)
  46. コンコルド効果からできるだけ抜け出す→ー(対象なし)
  47. ベジタブルファーストを守る→○(忘れかけていたが、おそらくできていた)
  48. キッチンでハーブかネギあるいは紫蘇を育てる→×(年明けからシェントウジャン用パクチーを育成中)
  49. 寝具(ボックスシーツ、枕カバー、布団カバー)を頻繁に洗う→○(一般には及ばないかもしれないが、わたしの中では頻度が増えた)
  50. 汚い言葉・適当な略語をなるべく使わない→○(そもそも夫以外の人と話す機会が少なかった)

Chipotleのブリトーを作る

シアトルにいたときにもりもり食べてプクプク太った Chipotle Mexican Grill のブリトー。食べたいなぁと思っても日本には店舗がないので食べれない。

子どもが生まれたらしばらくは手のかかるものは作れないだろう、今しかない!ないなら作ろう!(今とは10月9日のことである)

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  • 参考にさせて頂いたレシピ
  • 特殊食材
  • 少し手に入れにくかった・代用した食材
  • パーツ① チポトレマリネチキン
  • パーツ② 豆(ビーンズ)
  • パーツ③ シラントロレモンライス
  • パーツ④ フラワートルティー
  • 組み立て
参考にさせて頂いたレシピ

Chipotle Burrito (But Better)

骨皮なしの鳥もも肉が1.5lbs(=600g)から分かるとおりレシピ通り作ると爆量できる。

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出産の記録

手術当日昼

夫と部屋で待っていたら「お待たせしました〜」と呼ばれたので、点滴の棒を転がしながら手術室へ歩いて行く。夫とはロビーで一旦お別れ。

初めての手術室、すごく広いなと思った。手術台に登って、心電図やら血圧測定のための機器を手際よくつけられる。

手術台の上で横を向いて丸まって、麻酔2種のために背骨に3回くらいチクチクとした痛みが走る。「管を入れるので少し気持ち悪いかも」と言われながら何かがムニッと入る感覚があり、かなり気持ち悪かった。この時の心拍が1番早かった(と思う)。少し恥ずかしくて、「心拍、めちゃ聞こえるのでビビってるのわかって恥ずかしいですね〜」と言ったら「自分の心拍聞く余裕があるなら全然大丈夫!」と返された。

麻酔が効き始め、足が正座を頑張った時のように痺れ始める。尿管を入れられ「ひふふふふ」と声が漏れてしまったが、「正しい反応!」と言われた。その後はどんどん麻酔が効いてきて、脚などの下半身の境界が曖昧に、広く、太くなった感じがした。麻酔が効いている下半身に触られると、バランスボールの上に乗って跳ねているときのような感覚だった。「麻酔の効き良い方だね〜」と言われた。(効かないより効くにこしたことないし、ラッキー!)とか考えていた。

「手洗ってるから待ってね」と言われていた先生が到着して手術開始。先生の助手?の方が経験値積み中だったのか、「これが腹直筋」と説明されていて、(腹直筋!!わたしにも見せてくれ)という言葉を頑張って飲み込んだ。

『出てきたよー!』の前から子が泣き始めたようで「え!もう泣いてるよ!」と言われながら、出てきてしゃがれ声で泣く子(羊水が口に入っているとガラガラするらしい)。小さい。

「これが胎盤」と先生がまた説明している声が聞こえたので、「(胎盤は外に出してポイするはずだし)見たいです!」と言って見せてもらった。「身長の割に大きな胎盤だよ〜」と褒められた。

手術時間は31分。その後、血を拭いたり色々したので、1時間弱で手術室をあとにした。手術台からストレッチャーへの移動は寝転がったままビニール製の敷物を背中側に敷かれて引っ張られたら移動できていた。何が起きているかよく分からなかったが、スムーズに移動できておもしろかった。

ストレッチャーに横たわったまま夫と再会。ストレッチャーに横たわったまま夫と話すなんてドラマの中でしか見たことなかった。子を連れてきてもらってロビーで記念撮影。子はベビールームへ戻って、夫とわたしは部屋に戻って、わたしが急変しないか夫による2時間弱の見守りタイムが始まった。わたしが普通に元気なので、飽きてきた夫は部屋の電気を消して、壁につけられた懐中電灯を手に取り、顔を下から照らしながら、産婦人科にまつわる怖い話を披露してくれた。怖くなかった。何事もなく2時間弱が経過して、夫は家路へ。

手術当日夜

まだ麻酔が効いているので、産褥パッドの交換を助産師さんがしてくれるのだが、寝転がったままお世話をしていただくので(わたしが赤ちゃんじゃん…)という気持ちになった。

夕方、痛み止めの座薬入れてもらう。座薬、全然痛くなくて、子どもの頃の座薬に対する恐怖の記憶はなんなの…?医療の進歩?と思った。

普通の反応とのことだが、発熱した。暑いのでクーラーをつけた。部屋にきた助産師さんに「この部屋寒いですか?」と聞くと、「涼しいな、と思った」と言われたので、熱ですごく暑い旨を伝えて、アイスノンをもらった。それでも、暑くて汗が止まらないので、エアコン24度強で動かし、オフタイマーをセットして寝た。オフタイマーは、機能せず朝までクーラーがバッチリついていたが、夜中に点滴チェックに来てもらった時にうっすら目が覚めるくらいで、朝まで爆睡できた。

手術翌日

誰にも見守られることなく、起き抜けの5:50にガス(放屁のこと)が出た。要報告と書かれていたので、朝様子を見にきていただいた際に報告した。オナラの報告なんて滅多にできないな。

ドラマで見る麻酔追加のカチカチを押したかったが、朝、仕舞われてしまい押す機会を失った。残念…。

おしぼりでの顔拭きだけ許されたので、発熱でかいた大量の汗でべったりした顔を拭いた。さっぱりした。ベッドの上で歯磨きというなかなかできない経験をして、「今日の朝ごはんね〜」と出されたペットボトルの水をゴクゴク飲んだ。

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すごく美味しかった。

相変わらず下半身はぼんやりしているので、ぼーっとテレビを流していたら、手術をしてくれた先生が「寝れたー?」と様子を見にきてくれた。「爆睡でした!」と返したら「よかったよかった!」と出て行った。(回診ってすごくアッサリだなぁ)と思っていたら、回診は別の先生が来たので、わざわざ時間見つけて来てくれたよう。ありがたい。

その後体拭かれて、再び(わたしが赤ちゃんじゃん…)と思っていたら、「お尻のリフトアップが素晴らしい」と褒められた。

座薬を入れられて1時間後くらいに「歩いてみましょうか〜」となったので、久しぶりに地面に対して垂直になった。腹の傷がぽかぽか熱かったが、痛みに鈍感なのか薬のおかげなのか歩けた。

歩けたからなのか、午後に予定していた尿の管が抜かれ、「最初のトイレ行く時はナースコールしてね」と言われる。管があった時は尿意を感じてないのに排尿していたが、管がなくなったらちゃんと尿意を感じるのか不安で仕方がなかった。

希望していたランクの部屋がいっぱいなので、1つ上のランクの部屋に料金同じままで、とのことで豪華な部屋へ移動した。移動の前にベビールームで子と対面。新生児微笑をたくさんしてくれて、相変わらず泣き喚かないので(もしかして賢いのかな!)と思った。

部屋に着いたら「こんなにスタスタ歩けてすごい!」と褒められる。たくさん褒めてくれるので嬉しかった。

お昼ごはんは、液体だらけだったが出汁がとても美味しかった。

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12時半頃、尿意をなんとなく感じ、点滴も終わっていたから最悪尿が出なくても良いかと思いナースコールをした。トイレの外で見守られながら、最初に少し痛みがあったけど無事排尿できた。

15時頃、夫と電話していたら安心したのか便意を催した。しばらく固形のものを食べていないのにどうやって生成したのだろうか…人体は不思議だ。

この頃になるとベッドに寝転がったりベッドから起き上がるのが痛いくらいで、普通に歩けたので、(早期離床早期離床!)と唱えて子に会いにベビールームへ行った。隣の子が泣いていようがミルクの時間よ〜と言われようが泣きもせず寝続けているようで、ロングスリーパーの夫の血を色濃く感じたが、「帝王切開の子は結構寝るのよ」とのことだった。助産師さんたちが超快適な生活を送らせてくれてるんだろうな、と思った。

部屋に戻って、雨降りだったので、ピアノジャズをかけながら本を読んでいたら点滴とついにおさらばするタイミングがきた。気を遣う管がなくなったのでQOLが少し上がった。夜ごはん、お粥だけだと思っていたらおかずもあったので、テンションが上がった。

寝転がっていたら、尾骶骨が痛くなってきたので、膝を立ててみたが、あまり改善しなかった。尾骶骨は痛いし、時間を持て余したので、運動がてらまた子に会いに行ってみたが、変わらずひたすら寝ていた。翌日から母子同室のスケジュールなので、今日のうちにわたしもたくさん寝ておこう、と部屋に戻った。

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「湧き出る泉のよう!」と言われ母乳はたくさんでるものの、子もわたしもお互いに下手なので、パジャマやブラは汚れるのにうまく授乳できないこと、久しぶりのシャワー中に脇の下の副乳に気が付いて(乳が腫れて脇が膨らんだと勘違いして)、髪生乾きのまま授乳教室に駆け込み問題ないとわかって安心したこと、母子同室初日でほとんど寝ていないこと、おそらくこの3つがかけ合わさり、なぜか授乳教室で号泣したが、その後はケロッとして美味しいごはんと豪華な部屋の備品のマッサージ機でリフレッシュしながら入院生活を終えた。

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退院日の夜は、念願のお寿司をたらふく食べた。1週間ぶりに会った猫たちがあまり歓迎してくれなかったのが寂しかったな…。