標本を作った

夫の飼っているカブトムシ*1が早世してしまったので、「標本にして欲しい」と参考動画のURLが送られてきた。

1週間は動画を見ずに放置していたが、見てみたらこだわり甲斐があり楽しそうだなぁ、と自ら参考動画以外も見始めていたので、大人しく標本を作ってみた。

昆虫は、乾燥標本という薬品は必要のないシンプルなタイプで長期保存できるようになるらしい。準備するものは、昆虫針、まち針、発泡スチロール板、ピンセット、密閉容器、乾燥剤、そしてお亡くなりになられたムシ。

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死後しばらく経ってしまったので、関節を動かせるようにするためにお湯に30分くらい浸ける(軟化という作業)。

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もともとカチカチではなかったのと、(頭だと思っていた)前胸がやや緩かったので、お湯を少なめにしてみた。

30分経ったらお湯から取り出して、水分をティッシュで拭き取り、適当なサイズ(密閉容器には入るサイズ)に切った発泡スチロール板に固定していく。

種類の特性か個体の問題か、においが結構キツいので、フレーバーティー(オレンジ&マンゴー)を入れてごまかしながら、作業開始。

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昆虫は左右対称なので、真ん中の構造を壊さないために、昆虫針は左右どちらかに寄せるらしい。右側が通例とのことなので大人しく従う。

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昆虫針は上下左右にズレることなく真っ直ぐ刺す必要があり、しかし、背中は硬くて、針は細いので指に食い込むため、昆虫針を刺すのが1番難しかった。

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次に、前胸と腹部の大きなパーツをまち針で固定する。

ここからは好きな形になるように、主に脚に沿ってひたすらまち針を刺していく。今回は夫の希望で図鑑に載っていそうなとてもベーシックな形にする。

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長い前脚から始める。爪もちゃんと開くようにまち針を刺す。

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横からの様子も確認する。脚や角はぺたんこではなく、ある程度浮いているのが好みだそうで、まち針を斜めに刺したりして浮かせて、浮き具合が揃うようにまち針の角度を変えたりして調整する。

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触覚もピンセットでつまんで、きちんと形が見えるように固定する。脆そうに見えたが、細いピンセットでガッチリつまんでも、取れたり粉砕したりしない。さすが甲虫。
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触覚を上から確認してみたら左右対称になっていなかったので、修正。

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素人なりにこだわったので、好みの形・浮き具合になるまで、まち針を抜き差しすること約1時間半。許せる形になった。
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臭いし、今にも動き出しそうで少し怖いなぁと思っていたが、1時間半も触れ合っていたので、最終的に(複眼なだけなのに)大きなクリクリの目で可愛いな、と思っていた。
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乾燥剤と共に密閉容器にいれて、蓋をして安置。

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大きな乾燥剤ではないので、定期的に交換しながら1ヶ月程度かけて乾燥させれば完成だ。とても簡単。

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うまく完成したら、次は羽を広げているタイプなど芸術性の高いものを作ってみたいな。

 

有頭 志賀昆虫針 (5号)

志賀昆虫 段付先細型 先尖 12.5cm ピンセット

*1:エレファスゾウカブトというメキシコ出身の金色ビロードのお洒落なヤツ